CCNP ENCOR合格のための技術解説(BGP)

CCNP

こんにちは、トラ男です。
CCNP ENCOR試験では以下の6つの大分類から出題されます。

  • デュアルスタック(IPv4 および IPv6)アーキテクチャ
  • 仮想化
  • インフラストラクチャ
  • ネットワークアシュアランス
  • セキュリティ
  • 自動化

今回はインフラストラクチャ分野の技術知識(レイヤ3:BGP)についてまとめていきたいと思います。

BGP(Border Gateway Protocol)

BGPはEGP(Exterior Gateway Protocol)の一つで、自律システム(Autonomous System:AS)間で経路情報を交換する動的ルーティングプロトコルです。

RIP、EIGRP、OSPFなどはIGP(Interior Gateway Protocol)で、AS内部の経路情報を交換するのに使用します。

BGPは主に経路情報(NLRI:Network Layer Reachability Information)の広告を行います。
そのため、基本的にIGPのような自動ネイバー探索は行わず経路情報の交換相手(ネイバーもしくはピア)は手動で設定します。
また、自身が広告する経路情報も手動で設定したもの以外は広告しません。

  • iBGP(Internal BGP) :同一ASのネイバーとの経路情報交換に使うBGP。AD値は200。
  • eBGP(External BGP):異なるASのネイバーとの経路情報交換に使うBGP。AD値は20。

BGPのベストパス選択

BGPにはIGPのようなメトリックは存在せず、経路情報に付加された様々な情報を元に最適な経路を選択します。
この情報をパス属性(Path Attribute)と呼び、パス属性によって最適な経路を選択することをベストパス選択と呼びます。

ベストパス選択アルゴリズム

ベストパス選択は以下の優先順位で行われます。

優先順位アトリビュート特徴
1WeightCisco独自でローカルルータでのみ有効な属性
大きい値が優先される
2Local_PreferenceASからの出口を示す属性
大きい値が優先される
3ローカルルート自身で生成したルートが優先される
4AS_Path通過するAS番号を示す属性
最短のルートが優先される
5Originルートの生成元を示す属性
IGP、EGP、incompleteの順で優先される
6MED外部ASへの入口を示す属性
小さい値が優先される
7ネイバータイプeBGPがiBGPより優先される
8IGPメトリック小さい値が優先される
ベストパス選択アルゴリズム

BGPメッセージ

OpenBGPセッションで使用するメッセージ
AS番号やMD5認証値などの基本情報が含まれる
NotificationBGPセッションのエラー通知に使用するメッセージ
Update経路の追加や削除が発生した場合に送信するメッセージ
KeepaliveBGPピア関係維持のために定期的に送信するメッセージ
Route Refresh相手ルータに対し 全経路情報を要求するメッセージ

BGPのステート

Idle初期状態
BGPネイバーへのIP到達性があり、TCP接続を開始するとConnectになる
ConnectTCP接続の完了を待っている状態
TCP接続が成功した場合はOPENメッセージを送信してOpen Sent状態へ移行する
TCP接続が失敗した場合はActive状態となる
ActiveTCP接続を試行している状態
ネイバーのIPアドレス、AS番号、認証パスワードの設定などにミスがあった場合、
Active状態のままとなるかidle→Active→idleという状態を繰り返します
Open SentOpenメッセージを送信し、BGPネイバーからのOpenメッセージ確認を待っている状態
Openメッセージが受理できる場合、Keepaliveメッセージの送信を開始して、
Open Confirm状態に移行します
Openメッセージが受理できない場合は、Notificationを送信してIdle状態へ移行します
Open ConfirmKeepaliveメッセージ、または、Notificationメッセージを待っている状態
Keepaliveを受信すればEstablished状態へ移行しBGPネイバーが確立します
AS番号の不一致などによってNotificationを受信した場合はIdle状態へ移行します
EstablishedBGPネイバーが正常に確立している状態
Updateメッセージを交換できBGPテーブルやルーティングテーブルが生成される
Established状態であってもNotificationを受信した場合にはIdle状態へ移行する

今回はここまでとなります。続けてCCNP ENCORのインフラストラクチャ分野に関してまとめていきたいと思います。
第八回はこちら。

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