CCNP ENCOR合格のための技術解説(デバイス・サーバの仮想化)

CCNP

こんにちは、トラ男です。
CCNP ENCOR試験では以下の6つの大分類から出題されます。

  • デュアルスタック(IPv4 および IPv6)アーキテクチャ
  • 仮想化
  • インフラストラクチャ
  • ネットワークアシュアランス
  • セキュリティ
  • 自動化

今回は仮想化分野の技術知識(デバイス・サーバの仮想化)についてまとめていきたいと思います。

仮想化(Virtualization)

仮想化とは物理的な構成にとらわれずコンピュータリソースを論理的に分割・統合して利用する技術です。ネットワークの仮想化、サーバの仮想化などがあります。

サーバの仮想化

サーバの仮想化とはソフトウェアによって仮想的にサーバを作成することで、複数の仮想サーバを1台の物理サーバで稼働させることでサーバリソースを有効活用したり、サーバの追加削除が簡単にできるようになります。
サーバの仮想化にはVM型コンテナ型の2種類があります。

VM型(Virtual Machine:仮想マシン)

VM型とはソフトウェアを使って仮想的に作成したマシンのことです。VM型では1台の物理マシン上で複数のゲストOSを動かすことができます。

VMを管理するソフトウェアとしてハイパーバイザーがあります。

タイプ特徴代表例
ハイパーバイザーType1物理サーバ上で動作し、
ベアメタル型ネイティブ型とも呼ばれる。
VMware社(ESXi、vSphere)
MSFT社(Hyper-V)
ハイパーバイザーType2物理サーバ上のホストOSにインストールし、
ホスト型とも呼ばれる。
VMware社(VMware Server)
MSFT社(Virtual PC)
Oracle社(Virtual Box)
VM型

コンテナ型

コンテナ型とは、OSの機能によって分離されたアプリケーションの実行環境のことです。各コンテナはホストOSが直接管理し、コンテナごとにゲストOSをインストールする必要がありません。
ゲストOSを介さないので、コンテナ型の起動はVM型より圧倒的に速く、リソースの消費も少なくてすみます。

コンテナエンジンというソフトウェアでコンテナを作成・管理します。

コンテナ型

完全仮想化と準仮想化

ハイパーバイザーType1において、ゲストOSがハードウェアを利用する方法には完全仮想化と準仮想化の2種類があります。

完全仮想化ハイパーバイザによってエミュレートされた仮想ハードウェアにアクセス
準仮想化ゲストOS専用のデバイスドライバを用いて物理的なハードウェアに直接アクセス

デバイスの仮想化比較

デバイスの仮想化の種類はホストOSの有無、ゲストOSの有無で分けられます。

仮想化種類ホストOSゲストOS備考
VM型
ハイパーバイザーType1
ネイティブ型、ベアメタル型
VMware社(ESXi、vSphere)
MSFT社(Hyper-V)
VM型
ハイパーバイザーType2
ホスト型
VMware社(VMware Server)
MSFT社(Virtual PC)
Oracle社(Virtual Box)
コンテナ型オープンソース(Docker)

ライブマイグレーション

VMを停止させることなく、物理サーバ間を移行させることができる技術としてライブマイグレーションがあります。
物理マシン上で動作中の仮想マシンを動作させたまま、別の物理マシンに移動させることができるため、その柔軟性が利点となり、可用性が高くフォールトトレラントなシステムを作成できます。

vSwitch(Virtual Switch:仮想スイッチ、仮想ブリッジ)

vSwitchとは、サーバ上のソフトウェアによって仮想的に作成するL2スイッチのことで、仮想サーバを接続するために使用します。

仮想サーバはvNIC(仮想NIC)を持ち、物理サーバはpNIC(物理NIC)を持っています。
vSwitchはvNIC同士や、vNICとpNICを接続する役割を果たします。

Nexus1000Vなどが仮想スイッチです。

NVF(Network Functions Virtualization)

NVFとはネットワーク機能の仮想化であり、サーバ上でネットワーク機能(ルーティングやファイアウォールなど)を仮想的に実現します。ネットワーク機能を仮想化することによりコスト削減や柔軟性などのメリットがあります。
NFVはETSIによって標準化されています。

NVFというと楽天モバイルネットワークがエンドツーエンドのNFVモバイルネットワークを構築したとして話題になりました。

NFVの構成要素特徴
NFVI
(NFV Infrastructure)
NFVを実行するためのH/WとS/Wのこと
物理サーバとハイパーバイザーのこと
VNF
(Virtual Network Function)
仮想的なネットワーク機能を提供するソフトウェア
OSS/BSS
(Operation Support System)
(Business Support System)
プロバイダが使用する様々なシステム
MANO
(Management and Orchestration)
VNF、NFVI、OSS/BSSを管理するソフトウェア

今回はここまでとなります。続けてCCNP ENCORの仮想化分野に関してまとめていきたいと思います。

第二回はこちら

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