こんにちは、トラ男です。
CCNP ENCOR試験では以下の6つの大分類から出題されます。
- デュアルスタック(IPv4 および IPv6)アーキテクチャ
- 仮想化
- インフラストラクチャ
- ネットワークアシュアランス
- セキュリティ
- 自動化
今回はアーキテクチャ分野の技術知識(ネットワークデザイン)についてまとめていきたいと思います。
3階層キャンパス設計モデル(Three-Tier Campus Design)
3階層キャンパス設計(Three-Tier Campus Design)とはコア層、ディストリビューション層、アクセス層の3階層で構成される大規模向けのネットワーク設計です。
・コア層:ディストリビューション層のスイッチを収容する
・ディストリビューション層:アクセス層のスイッチを収容する
・アクセス層:ユーザを直接収容する
例えばコア層ではコアスイッチとしてCatalyst9500などを配置しStackWiseVirtualで冗長化し高可用性かつ高速伝送を実現します。コアスイッチは全スイッチを集約します。
ディストリビューション層ではディストリビューションスイッチとしてCatalyst9400などをStackWiseVirtualで冗長構成で配置しコアスイッチ配下に収容します。VLAN間ルーティング機能を提供します。また必要に応じてACLを使ったフィルタリングも行います。
アクセス層ではアクセススイッチとしてCatalyst9300などをディストリビューションスイッチ配下に収容します。アクセススイッチではPCやIP-Phoneなどエンドユーザが接続するためのポートを提供します。また必要に応じてQoSのマーキングも行います。
アクセス層とディストリビューション層間の接続方法には、L2レベルの接続とL3レベルの接続があります。L3レベルで接続する場合、ディストリビューションスイッチでFHRP(First Hop Redundancy Protocol)ファーストホップ冗長プロトコルを使用します。FHRPという単語は実務ではあまり耳にしないですが、Cisco機器であればHSRPやGLBPのことであり、他ベンダーであればVRRPのことでデフォルトゲートウェイの冗長プロトコルのことです。
2階層キャンパス設計(Two-Tier Campus Design)
2階層キャンパス設計(Two-Tier Campus Design)とはディストリビューション層とアクセス層の2階層で構成される小規模向けのネットワーク設計です。
コアがないためコラプスト コア(Collapsed core:つぶれたコア)設計とも呼ばれます。
コア機能がなくなったわけではなく、コア機能をディストリビューションが兼ねるイメージ。
スパイン&リーフ構成(2階層モデル)
データセンターやSDN(Software-Defined Network)ではスパイン&リーフ構成の2階層モデルが用いられます。
3階層キャンパス設計モデルは大規模な企業ネットワークに適したモデルですが、データセンターにおいてはその限りではありません。企業ネットワークではエンドユーザーはWAN向けのトラフィックやサーバルーム向けのトラフィックなど、縦方向のトラフィックが多いですが、データセンターネットワークではサーバ間のトラフィックも多く横方向のトラフィックも多いです。そのため、スパイン&リーフ構成の2階層モデルが有利となります。
スパイン&リーフ構成の特徴
スパイン(Spine)とは「背骨」という意味で、リーフ(leaf)は「木や草の葉」という意味です。
木の幹のようなスパインと葉のようなリーフのイメージです。
- リーフスイッチは全てのスパインスイッチと接続する
- (ただし)リーフ同士、スパイン同士を接続しない
- (そのため)1ホップか2ホップで全ての宛先に到達可能となる
- エンドポイント(サーバ)はリーフスイッチに接続する
- 帯域幅をスケールアウトしたい場合はスパインスイッチを増やす
- エンドポイント(サーバ)用のポートを追加したい場合はリーフスイッチを増やす
- リーフ層の機器もレイヤ3プロトコルに対応している(ルーティングプロトコルによる負荷分散が使用可能)
- 3階層キャンパス設計と比較して、障害の影響を抑えられる
- 3階層キャンパス設計と比較して、機器やケーブルの数を少なくできる
今回はここまでとなります。続けてCCNP ENCORアーキテクチャ分野に関してまとめていきたいと思います。
第2回はこちら。
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