CCNP ENCOR合格のための技術解説(筐体冗長)

CCNP

こんにちは、トラ男です。
CCNP ENCOR試験では以下の6つの大分類から出題されます。

  • デュアルスタック(IPv4 および IPv6)アーキテクチャ
  • 仮想化
  • インフラストラクチャ
  • ネットワークアシュアランス
  • セキュリティ
  • 自動化

今回はアーキテクチャ分野の技術知識(冗長性、FHRP、SSO などのハイ・アベイラビリティ機能)についてまとめていきたいと思います。

StackWise

スタックとは複数のスイッチをスタックケーブルで接続することで1台の仮想的なスイッチとすることで筐体冗長を実現する技術です(スイッチの最大数は9台)。

スタックではスイッチプライオリティ値が大きいスイッチがアクティブスイッチ(IOS-XE)もしくはマスタースイッチ(IOS)となります。
アクティブスイッチ(またはマスタースイッチ)がコンフィグを保持し、スタンバイスイッチやメンバースイッチはアクティブスイッチ(またはマスタースイッチ)からコンフィグを受け取ります。
アクティブスイッチ(またはマスタースイッチ)によってスイッチ全体が管理されます。

IOS
(C3750など)   
1台のマスタースイッチとそれ以外のメンバースイッチによって構成される。
IOS-XE
(C9300など)
1台のアクティブスイッチともう1台のスタンバイスイッチ、そしてそれ以外のメンバースイッチによって構成される。
SSOによってスタンバイスイッチがアクティブスイッチに切り替わることによって、IOSによるスタックよりもコンバージェンスが速くなります。

スタックは同一機種、同一フィーチャーセットでのスタック(同種スタック)だけでなく、異なる機種や異なるフィーチャーセットでのスタック(混合スタック)も可能です。

スタックマスターの選定

スタックマスターの選定はスタック技術の種類によって多少異なりますが、基本的にはスタックプライオリティ値が一番大きいスイッチがマスターに選定されます。

ただし、すでにマスターに選定されているスイッチがあった場合には、たとえスイッチプライオリティが大きいスイッチがあったとしてもマスターが切り替わることはありません。マスタースイッチの再選出が行われるのはマスタースイッチで再起動や障害が発生した場合です。

StackWiseVirtual

StackWiseVirtualは専用のスタックケーブルで接続するのではなく、10Gインターフェースなどで構成されるSVL(StackWiseVirtualLink)によって接続することでスタックを構成します。
スタック最大数は2台となります。

SVLは光ケーブルで2台のスイッチをつなぐので物理的に離れた機器間でもStackWiseVirtualを構築することができます。

https://www.cisco.com/

VSS(VirtualSwitchingSystem)

VSSは専用のスタックケーブルで接続するのではなく、10Gインターフェースなどで構成されるVSL(VirtualSwitchLink)によって接続することでスタックを構成します。
スタック最大数は2台となります。

StackWiseVirtual同様に物理的に離れた機器ともVSSを組むことができます。

ハイアベイラビリティ(高可用性)

FHRP、SSO、筐体冗長(StackWise、StackWiseVirtual、VSS)と3回にわたってハイアベイラビリティ(高可用性)について解説してきました。最後にハイアベイラビリティを実現する技術の種類についてまとめたいと思います。

STP
RSTP
ループ構成のネットワークをL2経路冗長するプロトコル
FHRPデフォルトゲートウェイの冗長をするプロトコル
2台以上のルータを1台の仮想ルータとする
StackWise
StackWiseVirtual
VSS
2台以上のスイッチを1台の仮想的なスイッチとする
スイッチの筐体冗長
ダイナミックルーティングルーティングによるL3経路冗長

今回はここまでとなります。続けてCCNP ENCORアーキテクチャ分野に関してまとめていきたいと思います。

第9回はこちら

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