CCNP ENCOR合格のための技術解説(VRF)

CCNP

こんにちは、トラ男です。
CCNP ENCOR試験では以下の6つの大分類から出題されます。

  • デュアルスタック(IPv4 および IPv6)アーキテクチャ
  • 仮想化
  • インフラストラクチャ
  • ネットワークアシュアランス
  • セキュリティ
  • 自動化

今回は仮想化分野の技術知識(VRF)についてまとめていきたいと思います。

VRF(Virtual Routing and Forwarding)

通常1台のルータではルーティングテーブルは1つですが、VRFによって1台のルータ内に仮想的に複数のルータを作成することで、複数のルーティングテーブルを持つことが可能となります。
VRFで作成した複数のルーティングテーブルは互いに影響を与えることなく独立して動作し、それによりネットワークを分離することが可能となります。

RD
(Route Distinguisher)
ローカルで使用するルート識別子と呼ばれる情報
他のルータと合わせる必要はない
RT
(Route Target)
ネットワークでVRFを識別するための情報
グローバルルーティングテーブル
(デフォルトVRF)
通常のルーティングテーブルのこと

VRFの設定

VRFをまず作成します。

Router(config)#ip vrf TORAO
Router(config)# rd 1:200

L3インターフェース(物理IFやSVIなど)に対してVRFを適用します。

Router(config)#interface GigabitEthernet0/0/0
Router(config-if)# ip vrf forwarding TORAO
Router(config-if)# ip address 10.0.0.1 255.255.255.0

なお、インターフェースのVRF設定を削除するとIPアドレスも同時に削除されるので注意が必要です。

スタティックルートの設定ではVRFを指定します。

Router(config)#ip route vrf TORAO 0.0.0.0 0.0.0.0 10.0.0.254

OSPFではプロセス毎にVRFを指定することで設定します。

Router(config)#router ospf 1 vrf TORAO
Router(config-router)#network 10.0.0.0 0.0.0.255 area 0

EIGRPやBGPではaddress-familyの設定でVRFを指定します。

Router(config)#router eigrp 65480
Router(config-router)#address-family ipv4 vrf TORAO
Router(config-router-af)# autonomous-system 65480
Router(config-router-af)# network 10.0.0.0 0.0.0.255

VRFのステータス確認

show ip vrf
VRFの情報を確認します。RDの情報も表示します。

show ip vrf interface
VRFに紐付けられたインターフェースの情報を確認します。IPアドレスも表示されるので私は実務ではよく使用します。

show ip route vrf *
グローバルルーティングテーブルを含めた全てのVRFのルーティングテーブルを表示します。
*をVRF名にするとそのVRFのルーティングテーブルのみ表示します。

VRFではルーティングテーブルごとに同一のIPアドレスを持つことが可能です。
またほとんどのルーティングプロトコルが使用可能です。

なお、エンタープライズネットワークで使用するVRFはVRF-Liteと呼びます。
VRFはMPLSネットワーク上で動作させることを想定した技術ですが、VRF-LiteはMPLSネットワークではないネットワークで動作するルーティング分離機能となります。

今回はここまでとなります。続けてCCNP ENCORの仮想化分野に関してまとめていきたいと思います。

第五回はこちら

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