こんにちは、トラ男です。
CCNP ENCOR試験では以下の6つの大分類から出題されます。
- デュアルスタック(IPv4 および IPv6)アーキテクチャ
- 仮想化
- インフラストラクチャ
- ネットワークアシュアランス
- セキュリティ
- 自動化
今回はアーキテクチャ分野の技術知識(DHCP)についてまとめていきたいと思います。
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)
DHCPはネットワーク情報(IPアドレスやDNSサーバなど)を動的にホストに割り当てるためのクライアント・サーバ型のプロトコルです。
DHCPによって割り当てることのできるネットワーク情報は様々ありますが、主な情報は以下になります。
IPアドレス |
サブネット |
デフォルトゲートウェイ |
DNSサーバ |
WINSサーバ |
DHCPのプロセス
DHCP Discover
クライアントがブロードキャストでDHCP Discoverメッセージを送信します。
DHCP Offer
DHCP Discoverを受け取ったDHCPサーバがクライアントに対してIPアドレス・サブネット、デフォルトゲートウェイなどの情報を提案するメッセージをユニキャストで送信します。複数のDHCPサーバが存在する場合、複数のDHCPサーバからそれぞれDHCP Offerを受け取ります。
DHCP Request
受け取ったDHCP Offerの中から一つを選択して、正式に情報を要求するDHCP Requestメッセージをブロードキャストで送信します。
DHCP Ack
サーバが要求を認める返答としてDHCP Ackをユニキャストで送信します。
上記のプロセスを経てはじめてホストはIPアドレス情報を利用できるようになります。
リース期限
DHCPにはリース期限というものがあります。IPアドレスはサブネットで分割されています。そのためネットワーク毎に利用可能なIPアドレスの数は決まっています。たとえば不特定多数の人が利用する環境において一度DHCPサーバから払い出したIPアドレスに期限がないとするとすぐに利用可能なIPアドレスが枯渇してし、新規のIPアドレスの払い出しができなくなってしまいます。
そのためリース期限を設定し(たとえば1日だったり、1週間だったり)、そのリース期限を過ぎるとIPアドレスが利用できないようにしています。
環境に応じてリース期限を適切に設計する必要があります。
DHCPリレーエージェント
DHCPでIPアドレスを払い出してもらうためにはDHCP Discoverをブロードキャストで送信する必要があります。
ブロードキャストなのでネットワークを超えることができません。
そのためDHCPサーバを各ネットワーク毎に設置する必要があります。
しかしDHCPサーバを各ネットワーク毎に設置するのは非常に非効率でもあります。そこで活用されるのがDHCPリレーエージェントです。
DHCPリレーエージェントはブロードキャストのDHCP Discoverパケットをユニキャストに変換して、DHCPサーバに転送します。
PC —DHCP Discover(ブロードキャスト)—> ルータ —DHCP Discover(ユニキャスト)—> DHCPサーバ
DHCPリレーエージェントの設定
DHCPリレーエージェントはルータやL3スイッチのL3インターフェースに対して設定します。
(config-if)#ip helper-address 192.168.1.1
上記のようにip helper-addressでDHCPサーバのIPアドレスを指定します。
今回はここまでとなります。続けてCCNP ENCORアーキテクチャ分野に関してまとめていきたいと思います。
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