CCNP ENCOR合格のための技術解説(VTP)

CCNP

こんにちは、トラ男です。
CCNP ENCOR試験では以下の6つの大分類から出題されます。

  • デュアルスタック(IPv4 および IPv6)アーキテクチャ
  • 仮想化
  • インフラストラクチャ
  • ネットワークアシュアランス
  • セキュリティ
  • 自動化

今回はインフラストラクチャ分野の技術知識(レイヤ2:VTP)についてまとめていきたいと思います。

VTP(VLAN Trunking Protocol)

VTPはスイッチ間でVLAN情報を同期するためのプロトコルです。
VTPにはサーバモード、クライアントモード、トランスペアレントモードがあり、それぞれ以下のような違いがあります。

VTPモードVLANの作成と削除VLAN情報の同期VTPの通知VTPの転送
サーバ
クライアント××
トランスペアレント××

クライアントモードのスイッチはサーバモードのスイッチから通知されたVTPアドバタイズメントを受け取ってVLAN情報を同期します。
トランスペアレントモードのスイッチはVTPアドバタイズメントが流れてきても同期はしませんが、転送は行います。

VTP同期のためには以下の条件があります。

  • スイッチ同士をトランクポートで接続すること
  • VTPバージョンの一致
  • VTPドメイン名が一致していること(VTPドメイン名が設定されている場合)
  • VTPパスワードが一致していること(VTPパスワードが設定されている場合)

VTPのバージョンはバージョン1~3まで存在し、デフォルトではバージョン1が動作します。VTPバージョンには互換性はないためバージョンが一致していないとVTPは同期しません。
VTPバージョン3では拡張VLANの1006-4094までサポートしています。

VTPアドバタイズメント

VTPアドバタイズメントにはVTPドメイン名やVLAN情報などが含まれ、以下のような種類があります。VTPアドバタイズメントはトランスポートから送信されます。

VTP要約アドバタイズメント

VTP同期の条件となる情報(バージョン、ドメイン名、リビジョン番号など)を通知します。
サーバモードのスイッチが5分毎に送信するほか、VLANの作成や削除を行った際にも送信します。

VTPサブセットアドバタイズメント

同期対象となるVLAN情報を載せたメッセージで、VTP要約アドバタイズメントに続けて送信されます。

VTPアドバタイズメント要求

VTP要約アドバタイズメントとVTPサブセットアドバタイズメントを要求するためのメッセージで、サーバモードやクライアントモードのスイッチを再起動した場合や、VTPドメイン名を変更した場合に送信します。

リビジョン番号

VTPリビジョン番号は、VLANの設定変更をするごとに0から1ずつ増えていく値です。
VLAN情報はリビジョン番号が一番大きなものを最新とし、リビジョン番号が一番大きなものにVLAN情報を同期させます。

VTPプルーニング

VTPプルーニングを使用することでブロードキャストの宛先VLANが存在しないスイッチへは、フレームを送らないようにすることができます。
サーバモードのスイッチでVTPプルーニングを有効にすることで、同一管理ドメイン全体で有効になります。

DTP(Dynamic Trunking Protocol)

DTPは、スイッチ同士を接続したポートでネゴシエーションして、スイッチポートのモードを自動的にトランクポートかアクセスポートかを判断して動作させるCisco独自プロトコルです。

スイッチポートモード説明DTPの送信
access自身のポートをaccessとする
trunk自身のポートをtrunkとする
DTPを送信して対向ポートもtrunkにするようにする
あり
dynamic desirable対向ポートのモードによって自動的にモードが決まる
trunkモードになれるようにDTPを送信する
あり
dynamic auto対向ポートのモードによって自動的にモードが決まる

上記のような特徴があるため、対向スイッチとのモードの組み合わせによってaccessかtrunkか以下のように決定します。

スイッチポートモードaccesstrunkdynamic desirabledynamic auto
accessaccessエラーaccessaccess
trunkエラーtrunktrunktrunk
dynamic desirableaccesstrunktrunktrunk
dynamic autoaccesstrunktrunkaccess

DTPを無効にするにはインターフェースに「switchport nonegotiate」を設定します。

今回はここまでとなります。続けてCCNP ENCORのインフラストラクチャ分野に関してまとめていきたいと思います。

第二回はこちら

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