[銘柄研究]高配当株が多いリース会社の株式比較(2021年7月)

資産形成

こんにちは、トラ男です。
夏のボーナスの季節となりましたね。
私の会社はエンジニアは賞与より給与を重視する給与体系のため賞与額はそこまで大きくはありませんが、個人評価は最高評価をいただけたので有り難いかぎりです。

賞与の使い道をどうしようかと考えて、特に個人的に欲しいものもないので投資をしようと考えています。
うさ子ちゃんとSBIの積立投資をしようということにはなっていますが、その他に配当株投資をしてみたいなと考えています。

そこで高配当銘柄で人気なオリックスと同じリース会社の株式について銘柄研究をしてみました。

リース事業について

リース事業は、リース物件を貸すことによって収益を得る事業です。
借手の設備投資の資金調達の代替手段として発展した事業となります。
自身の資金調達能力以上の設備投資が可能になったり、リース物件を資産計上しなくても良いためバランスシートをふくらませることなく設備投資ができるメリットがあります。
借手としてはリースは融資を受けて物件を購入し、分割返済するのと同様の経済的効果があります。
貸手としてはリースであれば所有権が自身にあるため、借手に支払い能力がなくなったとしてもリース物件を回収することでリスクオフできます。(これが単なる融資だと抵当権を設定できないものの場合回収できないリスクがある)

リース業界には、独立系(オリックス)、金融系(みずほリース)、メーカー系(リコーリース)などさまざまな業態があります。

リースにはファイナンス・リースとオペレーティング・リースの2種類がありますが、会計基準が変わることでファイナンス・リースを導入するメリットがなりリース離れがおきています。
そのため事業投資と海外展開を加速し収益を多角化する流れがあります。
三菱UFJリースが日立キャピタルを2020年に吸収合併したように業界再編の動きもあります。

上場リース大手6社

リース会社の大手で上場しているのは以下の6社です。

No会社名時価総額売上営業利益純利益株価(21/7/2終値)
8591オリックス2,475,019M2,292M258M192M1,898円
8593三菱HCキャピタル874,279M894M62M55M607円
8439東京センチュリー725,867M1,200M77M49M6,060円
8424芙蓉総合リース211,408M740M44M29M7,100円
8425みずほリース180,334M497M25M21M3,790円
8566リコーリース108,570M326M17M12M3,530円
上場リース大手6社

最大手はオリックスで時価総額は2兆4750万億となります。日立キャピタルを吸収合併した三菱HCキャピタルと比較してもその差は歴然です。

(8591)オリックス

国内最大手のリース会社で多角的な経営を行っています。
「法人営業・メンテナンスリース」「不動産」「事業投資・コンセッション」「環境エネルギー」「保険」「銀行・クレジット」「輸送機器」「ORIX USA」「ORIX Europe」「アジア・豪州」と実に10のセグメントに分けて事業を多角的に行っています。
コロナの影響もあり、業績は前期比マイナスとなっていますが、2Q、3Q、4Qと期を追う毎に回復傾向にあります。事業分野が多岐にわたるため、セグメント毎の好不調をカバーしリスクヘッジしています。
たとえば2103期はコロナで不動産などは不調でしたが、ESGの影響で環境エネルギーは好調でした。

財務基盤も良く設立初年度を除き56年間黒字経営で配当金も増配を続けています。
リーマンショックの際には株価下落と減配を経験していますが、それ移行はコロナ禍で減配かと思われた時も配当性向を高めることで減配せずに配当維持してきました。
2203期は78円で配当維持の予想となっていますが、配当性向は年々上がっており2203期で配当維持しつつ、どこまで配当性向を抑えられるかが注目です。

(配当方針・配当状況)https://www.orix.co.jp/grp/company/ir/stock/dividend.html

オリックスは優待と配当をあわせた総合利回りが高いことで有名ですが、長期の株価で見てみると2014年頃からの長期の株価推移を見てみると2000円で頭打ちとなっており、大幅なキャピタルゲインは見込めなさそうです。

オリックス株価推移(Yahooファイナンスより)

(8593)三菱HCキャピタル

2021年4月に三菱UFJリース(金融系)による日立キャピタル(メーカー系)の吸収合併で誕生した三菱HCキャピタル。
主な事業分野は三菱UFJリースの「カスタマービジネス」「航空」「不動産」「ロジスティクス」「環境エネルギー」「ヘルスケア」「インフラ企業投資」の7事業、そして日立キャピタルは「日本事業」「海外事業」の2事業で事業展開していました。

金融系とメーカー系の統合ということでシナジー効果をいかに生み出すことができるのかが気になります。

配当に関しては三菱UFJリースが22期連続増配の実績があり、2203期は50銭増配で26円予想で、配当性向は40%前後です。

株価が596円と投資しやすい銘柄です。
ただしオリックス同様に2014年頃からの長期の株価推移を見てみると700円で頭打ちとなっており、キャピタルゲインはあまり望めないかもしれません。

三菱HCキャピタル株価推移(Yahooファイナンスより)

(8439)東京センチュリー

伊藤忠商事の持分法適用会社である東京センチュリー。
旧センチュリー・リーシング・システム株式会社による旧東京リースの吸収合併したという経緯があります。

「国内リース事業分野」「国内オート事業分野」「スペシャルティ事業分野」「国際事業分野」と大きく4つの事業分野で事業展開をしています。

配当金は2203期は143円で5円の増配を予定しており、配当性向は30%前後です。


2021年3月期決算概要より https://ssl4.eir-parts.net/doc/8439/tdnet/1968544/00.pdf


着実に毎年増配を続けているのが分かります。

株価は長期で見てみるとなだらかに上昇を続けています。直近で8,000円台から大きく下げてきているので反発するようであればキャピタルも狙えるかもしれません。
日足でみると今が下げ止まりのようにも見えますね。

東京センチュリー株価推移(Yahooファイナンスより)

(8424)芙蓉総合リース

芙蓉総合(ふようそうごう)リースはみずほフィナンシャルグループ系のリース会社です。
2020年4月にはヤマトホールディングス完全子会社だったヤマトリースの株式を60%取得し、連結子会社化しています。

配当は2203期で20円増配の260円を予定しており、配当性向は25%前後となります。

2021年3月期決算説明会資料より https://ssl4.eir-parts.net/doc/8424/ir_material_for_fiscal_ym/100408/00.pdf

5年で配当金倍増を目指しています。配当金の増加に合わせて株価も上昇しているため、長期で持つことでインカムとキャピタルで利益を得られそうな印象があります。

芙蓉総合リース株価推移(Yahooファイナンスより)

(8425)みずほリース

みずほリースも名前の通りみずほフィナンシャルグループ系のリース会社です。みずほFGの持分法適用関連会社であり、丸紅と提携もしています。
金融のみずほと商社の丸紅を戦略的ビジネスパートナーとして、第六次中期経営計画では親会社株主に帰属する当期純利益を300億を2403期達成を目標にしています(2103期は217億)

8期連続で純利益は最高益を更新しており、配当金も20期連続で増配を予定しています。直近の配当性向は20%ほどですが、3年後に25%以上を目指すとしており、今後も増配期待は高そうです。

みずほリース配当金推移

株価を見ても順調に推移しています。インカムゲインもキャピタルゲインも期待できそうに感じます。

みずほリース株価推移(Yahooファイナンスより)

(8566)リコーリース

リコーとみずほリースの持分法適用関連会社でメーカー系のリース会社で資金的にも人的にもリコーグループと関連が深い会社となります。
業績は横ばいという感じです。

配当金は115円を予定しており、27期連続増配予定です。
配当性向は28%ほどを予想しています。
中期経営計画では配当性向30%を目標に掲げており、今後も増配していくと予想できます。

リコーリース配当推移

財務指標としてROAやROEを見てみると減少の一途をたどっており、今後の業績は上向きではないように感じます。
株価の推移を見ても4,000円台まで回復するのは難しいように感じます。キャピタルゲインは期待できないのではないでしょうか。

リコーリース株価推移(Yahooファイナンスより)

ROE推移比較

各社のROEの推移を比較してみたいと思います。
ROE(Return on Equity)とは企業が株主資本(純資産)を元に、どれだけの利益を上げているかを見る指標です。

リース6社ROE推移

ROEは純資産をもとにどれだけ効率的に稼げるかの指標です。

リース6社の過去5年のROEの推移を見てみるとオリックス、東京センチュリーは下がってきており、特にオリックスは2103期はリコーリースをも下回る結果となっています。
逆に順調に成長しているのがみずほリースと芙蓉総合リースです。

今後の企業の成長を考えるとみずほリースと芙蓉総合リースは順調に成長しそうですね。

配当利回り比較

リース会社は比較的配当利回りが高いですが、比較してみたいと思います。

No会社名年間配当金
2203期予想
配当利回り
21/7/2
配当性向株主優待(100株)総合利回り
8591オリックス78円4.10%50.1%5,000円相当のカタログギフト
※3年保有で10,000円相当
6.64〜9.24%
8593三菱HC
キャピタル
26円4.28%39.3%4.36%
8439東京
センチュリー
143円2.35%29.1%2,000円クオカード2.76%
8424芙蓉総合
リース
260円3.66%25.2%3000円相当
図書カードorカタログギフト
※2年保有で5,000円相当
4.15〜4.44%
8425みずほ
リース
110円2.90%23.1%3000円クオカード
※1年保有で4,000円相当
3.80〜4.34%
8566リコー
リース
1153.25%28.1%3000円クオカード
※1-3年保有で4,000円相当
※3年以上で5,000円相当
4.17〜4.74%
リース会社配当利回り比較

オリックスは株主優待がすごいですね。長期でのキャピタルゲインの期待はできなそうですが12-3年で株価のもとが取れそうなので、100株保有しておくのはありかもしれません。

三菱HCキャピタルは株主優待はありませんが、配当利回りが高く株価も安いので購入しやすいのが利点かと思います。長期ではキャピタルゲインは望めなそうですが、合併によるシナジー効果で業績を伸ばせるかは要注目だと思います。

東京センチュリーは株主優待を加味してもリース会社の中では利回りは少なめな印象です。順調に増配していますから、株価が下がった今が狙い目かもしれません。

芙蓉総合リースは利回りも高く、長期ではキャピタルゲインも狙えそうな銘柄です。
ただし100株買うのに70万近く必要なため手が出しにくいのが欠点でしょう。

みずほリースも利回りも高く、長期ではキャピタルゲインも狙えそうな銘柄です。
きっちり増配を続けているので100株保有したい銘柄です。
芙蓉総合リースに比べて100株で38万なのでまだ手が出しやすいですが、それでも高いですね。

リコーリースは株主優待が長期で保有することで利回りが高くなります。
増配を続けていますが、長期でのキャピタルゲインは見込めなそうです。

リース会社の株で買うなら?

未来はわかりません。どれだけ良い企業でも業績が良くても短期では売られたりすることもあります。
しかし株主となってその企業を応援するなら長期で保有したいというのが僕なりの考えです。
短期の利益に一喜一憂せずにどーんと構えて投資したいものです。

リース会社6社の銘柄比較をしましたが、僕がこの中で買うなら以下の2つでしょうか。

  • オリックス
  • みずほリース

この2社を要監視リストに加えて、チャンスが来たら購入したいと思います。

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